サラーム通信20101019
フリーになって10年が経ちました。カボチャと冬瓜のカレー
気がつくと、この10月中旬でフリーのライターになってちょうど10年が経ちました。
日本で唯一の「よろずエキゾ風物ライター」として、10年間やってこれたのは楽しい仕事を運んできてくれる友人達や、その仕事を応援してくれる皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。そして、今後ともよろしくお願いします。
思い起こせば、30年前の僕はYMO好きが昂じて音楽を掘り始めた中学生、20年前は大学新卒のWAVEの店員、そして10年前はかけだしのフリーライターでした。その頃、既にメールマガジンの「サラーム通信」を始めていたので、そういう部分は今とあまり変わらないような気がしますが、やはり10年前と今とでは色んなことが違いますね。特にこの二年が激変でした。まさかこんなに音楽業界~出版業界が変わるとは予想もつきませんでした。
僕の仕事の内容も10年間で随分変わりましたね。最初の数年は頼まれた原稿だけ書いていましたが、いつのまにか単行本を出して、ラジオで喋って、和光大学ぱいでいあや他の大学で講義を行って、クラブでDJをして、海外でも取材したりDJをしたり、とだんだん仕事の範囲が広がっていきました。どれも10年前の自分には想像も出来なかった事です。そういう意味では「この10年、よくやった!」と自分を褒めてやりたいです。
さて、「よろずエキゾ風物」を承りながら、これから先の10年をどうやって楽しく生きていくか。まだ答えは見えていませんが、思い起こせば10年前にフリーになった時も、10年先の事なんてまったく見えてなかったわけですから。それが10年ぶりにぶり返したということかもしれません。先が見えないのは個人の問題だけでなく、業界全体、もしくは日本経済全体の問題ですから。
こんな時代なので「お気楽に」とはけっして言いませんが、好奇心と行動力を失わず、自分のペースを保っていれば、なるようになると、そう信じている自分がいるわけで。そういう無意味に呑気な所はまったく成長してないですねえ。
というわけで、皆様、今後とも平によろしくお願い致します。
さて、今週末から来週にかけてはインド映画好きは忙しいですねえ!
今週土曜から来週水曜まではNHKアジアフィルムフェスティバルで僕の大好きなボリウッド映画「デリー6」が、そして東京国際映画祭では「ラーヴァン」が上映されます!
「ラーヴァン」は前売りは売り切れたようですが、「デリー6」はまだチケットがあると思います。地下鉄もファストフードも出来た現代のオールドデリーに生きる人々の生活を描いた素晴らしい作品です。歌も踊りもない今流のボリウッド映画ですが、それでもARラフマーンの音楽が心に残るはずです。
http://www.nhk.or.jp/sun-asia/aff/11th/index.html#a04
そして僕のイベント情報です。来週29日土曜はサラームとL?K?OのDJパーティー@下北沢MORE。
10.29 Fri. WORLD PEACE@下北沢MORE
今回はBINGことカジハラトシオさんが急遽ゲストDJで参加してくれることとなりました。僕もインドで仕入れた飛び道具持っていきます! 渋谷より下北のほうが良いという方、よろしくお願いします!
10.29 Fri. WORLD PEACE@下北沢MORE
start 23:00 / 1000yen
GUEST DJ: BING (HE?XION! TAPES/THEGODSARECRAZY )
DJ's: L?K?O, サラーム海上
BELLY DANCE: TANiSHQ
http://www.toos.co.jp/more.html
世田谷区北沢2-18-5 B1F
03-3442-1995
11月に入ってからは12日金曜に9年ぶりの来日となるタルヴィン・シンの東京公演にラウンジフロアのDJとして参加します。
11.12 Fri. Talvin Singh Tablatronic set Live@代官山AIR
98年の1stアルバム「OK」によりエイジアン・アンダーグラウンド・サウンドを築き上げたUKエイジアンのタブラ奏者タルヴィン・シンが久々、実に9年半ぶりに来日公演を行います。
Live: Talvin Singh (Tablatronic set)
Special Guest Live: HIFANA
DJ: Chari Chari a.k.a. Kaoru Inoue, Dazz, C-ken
Lounge DJ: サラーム海上、Cyril Coppini
Open 22:00
Door ¥3,500, With Flyer ¥3,000, AIR Members ¥3,000
AIR 東京都渋谷区猿楽町2-11 氷川ビルB1
03-5784-3386
www.air-tokyo.com
年末年始のモロッコツアーもまだまだ参加者絶賛募集中です。
サラーム海上プロデュースの旅2「モロッコ グナワと伝統音楽を巡る10日間の旅」
2010年12月24日(金)〜2011年1月2日(日)
グナワでレッツ・トランス! マラケシュ、エッサウィラ、フェズで楽しむ伝統音楽スペシャルコンサート
アラブイスラーム文化の古都フェズではメディナ(旧市街)に迷い、真紅の町マラケシュでは先住民ベルベルの文化に触れ、エッサウィラでは青い大西洋と白い壁を満喫、そこで流れるのはグナワをはじめとする数々の伝統音楽!
モロッコはカラフルな風土とエキゾチックな文化が今も息づく国。
サラームの旅第二弾モロッコ編、スケジュールを仕切り直しての再スタートです。イスラームの古都フェズにてアラブ・アンダルース音楽を聞き、マラケシュではベルベル女性のトランス民謡を体感し、大西洋の町エッサウィラではお待ちかねグナワの儀式「リラ」を開きます。
全日程から一日減らし、フェズとマラケシュ滞在を増やしました。
詳しい日程や聞ける音楽の内容、旅行料金等は下記を。
http://www.chez-salam.com/maroctour.html
11月後半から12月にかけても幾つかDJやトークや司会などイベントが続いていますが、それは次回にしましょう。
カボチャと冬瓜のカレー
今回のレシピは先月、デリーに行った時に、訪れたハウスカーズヴィレッジにある人気のケーララ料理レストランGunpowderで頂いたスウィートパンプキンカレーを再現するよう務めました。その席にご一緒したデリー在住のNeelkamalさんが後日、ブログでレシピを紹介していたのですが、僕はそれを日本の野菜に合わせて冬瓜を加えて改変したものです。インドのカボチャは日本のカボチャのようにホックリしてなくて、ちょうどカボチャと冬瓜の中間くらいの水っぽさなんです。なので、そのとおり、カボチャと冬瓜両方を使って作ってみました。
【材料:4人分】
- カボチャ:500g(1/4個):皮を剥き、厚さ5mmくらいの一口サイズに切る。
- 冬瓜:400g:皮を剥き、厚さ5mmくらいの一口サイズに切る。
- トマト:大1個:みじん切り
- 玉ねぎ:大1個:みじん切り
- マスタードシード:小さじ1
- シナモン:一かけ
- カレーの葉:一つまみ(なければ省略)
- 鷹の爪:1本
- サラダ油:大さじ3
- ターメリック:小さじ1
- ガラムマサラ:少々
- 塩:小さじ1
- 水:50cc
- 香菜:大さじ1:みじん切り
【作り方】
- フライパンや中華鍋を中火にかけ、サラダ油を熱し、油が温まったら、マスタードシードとシナモン、カレーの葉、鷹の爪を入れ、焦がさないようにしながら、油に香りを移す。
- マスタードシードがはじけてきたら、みじん切りの玉ねぎを加え、玉ねぎが透明になるまで炒める。
- 冬瓜を加え、軽く炒め、油が各面に回ったら、続いてカボチャとトマト、ターメリックを投入する。
- 水を加え、フタをして、冬瓜とカボチャの形が崩れるまで炒める。底を焦がさないように時々かき混ぜ、必要なら水を加えながら火を通す。
- ガラムマサラと塩を加え、軽く味がなじむまで火を通したら、仕上げに香菜を振りかけて出来上がり。
*サフランライスやレモンライス、チャパティーやナーンで食べても美味しい。
先日のインドでは、ジャイプルの友人からナイスなスパイスのお店を教えてもらい、クミン、ターメリック、カルダモン、シナモン、サフラン、カイエンヌ、黒胡椒など、基本的なスパイスを全て新たに買い直しました。ジャイプルのMIロード沿いにあったそのお店はなんてことのないしなびた乾物屋だったのですが、店の奥にスパイス専用の箪笥状の棚があり、一つ一つのスパイスが非常に大きくてつやつやしていて、香りが際だっていたんです。そこで一通り買って、日本に持って帰って、ガラス瓶やタッパーに移し替えてみると、ビニール袋を開ける度にこれまでに嗅いだことのないような香りが部屋中立ちこめて、これでカレーを作ったら、これまでと全く違った味になるのでは?とわくわくしました。
以来、東京カリ〜番長や渡辺玲さんのカレーレシピ本を元にして、幾つかカレーを作ってみたら、本当に今までと香りが全然違うんです。缶入りのコーヒーと美味いコーヒー屋で入れてもらったコーヒーくらい違う。そんなわけで、最近はあまり自宅で作ったことのなかったインドのカレーをまたまた作り始めています。このカボチャのカレーもシナモンの香りとカボチャの甘さが一つに溶け合ってますよ〜! 調理は簡単なので、我が家にお越しの方は是非リクエスト下さい。
フリーになって10年、ということはこの「サラーム通信」もちょうど10周年になります! こちらもおめでとうございます。ありがとうございます、と一人で言いたいです。
メールマガジンが既に古いメディアとなり、随分時間が経ちましたが、僕は自分の好きな料理とレシピ、それに自分のイベント情報を友人に知らせたいだけなので、別にメディアとしての意義なんて求めていませんから、何とぞご容赦下さいませ。これからも美味い料理が作れたら、美味そうな写真が撮れたら、送りつけさせていただきます。
さて、サラーム通信10年10月号はこれでおしまいです。寒くなってきましたが、皆様ご自愛下さいませ。ではまた次回!