サラーム通信110401クルファスリエ

サラーム通信20110207

クルファスリエ(白インゲン豆のトマト煮込み)

IMG_6394.jpgサラームアリクム。久々のサラーム通信です。

被災地の方にはお見舞い申し上げます。僕は縁があって郡山や会津若松、そして獏原人村の友人達にこれまで大変お世話になってきたので、彼らの事を思うと言葉もありません。

一方、東京は風評被害に加えて、放射線の見えない恐怖が人々の間に蔓延し、妙に街が静かです。

さて下記はブログにも書いた文章ですが、こちらにも転載します。


僕は職業が音楽ライターなので、60年代、70年代、80年代、90年代、ゼロ年代という西暦の10年期(ディケイド)を常に意識してきました。なぜか20世紀中盤以降のポップ音楽は確実にその周期でくくれるものがあるからです。そこで現在の2010年代=テン年代という時代、そしてその時代の音楽とはどんなものなのかという疑問を常に頭の片隅に置いていました。

そして、今年一月のエジプト・カイロで僕は偶然なのか、必然なのか、あのエジプト革命の場に遭遇し、一週間ほど、夜間外出禁止令に悩まされながらもカイロの革命の動向を見つめる機会を得ました。

僕の専門の音楽で言えば、ゼロ年代の始まりにベリーダンスの世界的なブームとともに広まったエジプト=アラブのポップ音楽「シャバービー」がこの数年で妙な保守化を起こしていた事が気になってエジプトに来てみたところ、カイロにこれまでになかった新しい音楽シーン(インディーズロックやヒップホップ、デスメタル、民謡楽団)が生まれつつある事を現地取材して芋づる式に初めて知りました。

その新しい音楽の息吹きに呼応するかのようなタイミングで起こったエジプトの革命を見て、「やはり音楽と社会はどこかで繋がっている。これが2010年代のスタートだ!」と確信したんです。

そう思って日本に帰ると、一部の中東研究者やtwitterやfacebookの活用者、海外のメディアをチェックしている人を除いて、「エジプト革命は時代の変わる事件である」、そう言う人は誰もいませんでした。単なる対岸の火事扱いされている事に驚きました。カイロのあの空気を吸ってしまった僕達だけが、何か夢を見ているような立場に立たされている、そんな違和感を感じました。

でも僕達はもう後戻り出来ないはず。2001年に9.11同時多発テロが起きて「ゼロ年代」という新しい時代に入った事を否応でも誰もが知ったのと同じように、奇しくもホスニー・”ムバラク”と同語幹の名前を持つ”バラク”・オバマが「CHANGE」と言って大統領に選ばれた事によって序章を開いた2010年代は、エジプトや中東諸国の「CHANGE」とともに本章に入ったのだから。きっと近いうちに、新しい時代に突入した事を日本人全員が否応なしに気づくような事件、出来事がなにか起こる。それを期に人々の心や考え方、生き方まで変わるような出来事が必ず起こる。そう思っていました。

それがこんなに早く、しかも最悪な形で起こるとはまさか思わなかった。「CHANGE」の時代、新しい時代とは、日本全体にとってこれほどダメージの大きな事件から始まるとは予想もしていなかった。

地震災害、津波災害、そして原発事故による放射能汚染、そして今まだ被災地に残されている人々の救助支援活動、そして節電の始まった関東東北の新しい生活など、目の前にはとてつもなく厳しい現実が広がっています。かつての震災や大戦を超えてきた日本ですから、必ず復興すると信じていますが、その前に多くの人が通らなくてはならない問題が山積みで、想像しただけでクラクラします。

この状況を前にして音楽ライター、しかもワールド音楽などという極めてニッチな音楽について考え、紹介することで生きている僕に出来る事はなにがあるのだろうか。日本赤十字に義援金寄付、イベントのアガリを義援金にする? それで終わり? いや、復興までは何年もかかるはず。長い目で見なければ。そんな風に思っていた所、七尾旅人君から電話をもらい、彼が始めたチャリティープロジェクトDIY HEARTSに誘われました。DIY HEARTSは配信システムDIY STARSを活かした募金サイトです。主旨に賛同した音楽家達の作品が並び、投げ銭式で値付けされ、リスナーはクレジットカードでお好きな金額で音源ファイルを購入出来る仕掛けです。そして後日、売上額から決済手数料を除いた全額が日本赤十字社を通じて寄付されるそうです。

僕は音楽家ではないのですが、これぞ東北への恩を返す機会になると思い、参加させて頂くことにしました。自宅のimacに貯め込んでいた写真や録音や文章を見直しているうちに、ラージャスターンの砂漠の楽師達による音楽演奏音源と動画を見つけました。そして演奏している僕の友人、チュゲやアミン達に許諾を得て、晴れてDIY HEARTSに提供出来ることとなりました。内容はラージャスターン・ジャイサルメールの民謡楽師達が歌うヌスラット・ファテー・アリー・ハーンの代表曲「アッラー・フー」。そしてボーナストラックには、砂漠の夜明けの驚くべきサウンド・ファイル。そしてもう一つ、少年楽師達の演奏映像もボーナス映像で付いています。是非チェックして、よろしければお買い上げ下さい。

DIY HEARTS サラーム海上presents "ALLAH HUU"

さて、サラームのイベント情報をお知らせします。

4.2土 Midnight Souq Vol.3 @東高円寺Grassroots

まずは明日です。半年ぶりの東高円寺GRASSROOTSでサラーム主催のDJパーティーMidnight Souqです。

ゲストには前回、中東四つ打ちトランス歌謡ばかりをノンストップ・ミックスし、Grassroots Tribesの度肝を抜いたDJ森田潤、そして麗しのベリーダンサーNOURAH、更にスペシャルゲストでフランスに帰国せず東京&博多に居残るケッタイなフランス人シリル・コピーニが急遽参加してくれることとなりました。

花粉、黄砂、放射線被害への過剰反応および妄想、無計画節電などで様々なストレスが知らず知らずにたまっている人も多いでしょう。そんな今だからこそ、楽しい音楽とお酒で一晩過ごしましょう!

サラームはエジプト、モロッコ、トルコで仕入れた最新のダンス・トラックを大量投下しますので、是非お越し下さい!

2011.4.2(土)23:00~
Entrance:¥1500(w/1drink)
DJ :サラーム海上
GUEST DJ:森田潤(blackmadras)
BELLYDANCE:NOURAH(Samanyolu)

Grassroots 
東京都杉並区高円寺南1-6-12
03-5378-0418
http://green.ap.teacup.com/grassrootstribe/

ワールド音楽講座 和光大学オープンカレッジぱいでいあ受付中!

そして本年も5月のGW後より12月まで、和光大学オープンカレッジぱいでいあにてサラームがワールド音楽講座を開催します。
ただ今受講生絶賛募集中、受付締切は4月11日です。
全20回で32000円と大変お手頃価格ですが、内容は超濃い口です。そしてワールド音楽好きの楽しい友人が増えることも受けあいです!
鶴川は遠いでしょうが、皆様ふるってご参加下さい。よろしくお願いします!

ワールド音楽:伝統音楽の世界に触れる
サラーム海上(さらーむ・うながみ)

インド亜大陸〜中東〜ヨーロッパの調査取材を続け、書籍やラジオ、DJなどを通じて世界の音楽を紹介してきた音楽評論家による講座です。講師自ら撮影した映像やDVDなどをふんだんに用いますので、音楽が生まれる現場の匂いまで感じられます。

募集人数25名
曜日・時間毎週水曜日(20:10〜21:40)
開講回数全20回
開講日程<春期>5/11 5/18 5/25 6/1 6/8 6/15 6/22 6/29 7/6 7/13
<秋期>10/5 10/12 10/19 10/26 11/2 11/9 11/16 11/30 12/7 12/14
会場:和光大学ぱいでいあ(小田急線鶴川駅徒歩3分)
詳細は和光大学 大学開放センター

そして未確定ですが、4月第三週の週末に福島県の某牧場で行われるチャリティ花見プロジェクトにDJ&講義でお邪魔します。詳しくは追ってブログやtwitterでお知らせします。

クル・ファスリエ(白インゲン豆のトマト煮込み)

IMG_6359.jpgさて、今回の料理は石油ストーブの上に鍋を載せて、3時間ほど火にかけておくだけで出来上がる簡単な料理、トルコの国民食、クル・ファスリエです。

材料

  • 乾燥白インゲン豆:300g
  • 羊肉:200g(ジンギスカン用のスライスでOK)
  • 玉ねぎ:中1個:粗みじん切り
  • にんにく:1かけ:粗みじん切り
  • トマトペースト:大さじ3〜4
  • バターまたはマーガリン:大さじ1
  • プルビベールまたはカイエンヌペッパー:小さじ2〜お好みで増減
  • 塩:小さじ1

作り方

  1. 乾燥インゲン豆は一旦洗ってから、たっぷりの水に漬け、一晩おく(時間がない場合は熱湯に沈め、そのまま3時間くらい置いておく)
  2. もどしたインゲン豆を漬けおいた水もろとも底の厚い鍋に入れ、一口大に切った羊肉を入れ、フタをして中火にかけ、アクが出てきたら丁寧にすくい取りながら、1時間半ほど煮込む。
  3. フライパンにバターまたはマーガリンを熱し、ニンニクと玉ねぎを入れ、しんなりするまで炒めたらトマトペースト、プルビベールを加え、よく混ぜ合わせる。
  4. 2の鍋に3を加え、よく混ぜてから塩胡椒で調味し、豆が柔らかくなるまで煮込む。
  5. お好みでブルビベールをかけて、パンですくっていただきます!
  • ブルビベールはトルコ料理に使う塩漬けの赤唐辛子フレーク。カイエンヌペッパーで代用可。

以上、二ヶ月近く間が空いてしまいましたが、2011年4月1日のサラーム通信でした。
ブログやtwitter, facebookもやっていますので、フォローや友達申請よろしくお願いします。

サラームの胃袋

IMG_4093.JPGSALAM LE GOURMAND
私 サラーム海上が世界各国で食べた料理を掲載します。オレなりの料理アーカイブです。

詳しくはLinkIcon

目玉オヤジの冒険

pere_desert.jpgLes Aventures du Pere d'Oeil
映画「アメリ」好きのファンシーなボクちんは、アメリの父親のノームにインスパイヤされ、目玉オヤジと旅をすることにしました。長い目で見守ってやって下さい。

詳しくはLinkIcon

イイ顔のオヤジ達

istan1.jpgLES HOMMES QUI PASSENT通り過ぎるオトコ達
世界の街角で出会ったイイ顔のオヤジ達をワタクシなりの偏愛を込めて紹介します。

詳しくはLinkIcon

サラームの旅写真

web.jpgSALAM LE Voyageur
ウェブ上に散らばっていたフォトギャラリーをなんとなく一カ所にまとめました。

詳しくはLinkIcon

SALAM'S TRAVEL MAP

c0008520_0305752.jpgGoogle Mapでサラームの旅地図を作りました。デリー、ジャイプール、イスタンブールをアップしています。

詳しくはLinkIcon